Tulsa Ballet ヨーロッパ珍道中④

Tulsa Ballet ヨーロッパ珍道中④

 

〜前回までのあらすじ〜

イタリアの2都市、そしてスペインはセビーリャでの公演を終えたタルサバレエ一行。次なる目的地チビタノーヴァ・マルケへ向けて出発するもやはりトラブルの連続、再びイタリアの洗礼を受けるのであった。

 

というわけでタルサバレエヨーロッパ珍道中、第4話です。

 

日付も変わってしまった深夜にようやくホテルに到着し、部屋のゴタゴタもありつつもなんとか暖かいベッドで寝ることができました。移動日っていうのは案外踊るよりも疲れるものなんですが、それに加えてトラブルがこうも続くとグッタリでした。まぁ、最後の方は笑ってましたけどね。笑

 

 

そんなわけで無事に朝を迎え、その日はデイオフ。皆いろんな過ごし方で休日を楽しんでいました。

 

と言ってもそんなに大きな街ではないので、遊びまわるという感じではなかったですが、僕の性分からいうとそういう街の方が落ち着いていて気が楽でしたね。

 

僕はホテルから歩いて40〜50分ほどのショッピングモールまで行ってみたり(アメリカにはないお店がいっぱいあって懐かしかったです。ルーマニアにいた時にはよく行っていた、ヨーロッパにしかないお店がたくさんありました)、ホテルの目の前に広がる海を眺めたり、のんびり過ごしました。

 

 

港があったので、ついつい波止場のポーズ。気分は石原裕次郎。

 

本当に静かな港町という感じで、穏やかな船着場やビーチの広がる良い街でした。

 

ビーチは砂浜というよりも河原に近いというか、砂よりも石と貝殻でできているような感じ。だから日本海沿いの地元福井の浜辺とは違って、どちらかというと沖縄っぽさを感じました。

 

また、風向きのせいかこの地域のせいなのかは分かりませんが、アドリア海はあまり潮の匂いがしないなーと感じました。地元の海は、近くに来ただけでガツンと「磯!!」の香りがするので、そこも随分違うなーとしみじみ。この街に滞在中は、特に用もないのに長いこと眺めていたり、朝食の後ぼんやり海を見に行ったりしてました。海って画になりますねぇ。

 

 

そんな感じでデイオフはのんびりと過ぎていきました。ホテルで昼寝したり、近所のピッツェリアに本場のピザを食べに行ったら、なんとアレッサンドラ・フェリエルマン・コルネホの写真が飾ってあって、レジェンドダンサーたちがここに来たことあるの!?みたいな驚きもあったり。笑 有意義なデイオフでした。

 

 

そして翌日は再び公演。

今回の舞台は「傾斜している。」と聞いていました。今まで平らだと言っているのに傾いていたんだから、傾斜していると言っているなら一体どれだけ傾いているのかとヒヤヒヤしながら劇場へ向かうと……。

 

 

これくらい傾いていました。

客席に背を向けて立つだけでアキレス腱伸ばしになる感じ。

ボールやペットボトルが転がりだすと止まらないレベル。

確か傾斜5%と言っていました。

 

参考までに、傾斜で有名なローザンヌのボーリュー劇場は傾斜3.6%パリ・オペラ座で4.7%らしいので、5%というのがどれくらいキツイかなんとなく分かっていただけるのではないでしょうか。

 

まっすぐ立つだけでも大変で、ルルベになったり、まして回転となると本当に難しい。過去に数回傾斜舞台で踊ったことはありますが、その中でも一番の傾斜具合だったように感じました。

 

傾斜の舞台の攻略法としては、目線を顎から上げること。

また、バランスはとにかく後ろに重心を置くことで安定するので、慣れてくると意外とバランスが取れたりします。もちろん回転はもう少しコツが要りますが。

逆に舞台奥に向かうときは思い切り前に踏み込むこと。自分が思っているよりもずっと前に重心をかけて踏み切ることでバランスが保たれます。

 

 

僕が踊った作品は傾斜の影響がまだ少ない方だったので良かったですが、バランシンのWho Cares? を踊った人たちは本当に大変だったと思います。というかフラットの舞台でも難しい作品を傾斜のきつい舞台で踊るのは、NYCBのダンサーでもキツイんじゃないでしょうか……。

 

また、袖が狭過ぎて The Green Table で使用するテーブルがハケられず、舞台上で二つに分解してハケる必要があったり(ダンサーがやります)、早着替えの場所がなかったりと、今回の舞台はいろんな面で苦戦を強いられるものでした。

 

でもどうにかこうにかハプニングも怪我人もなく、無事に終えることができました。先生たちもヒヤヒヤしてたみたいで、公演後は珍しくやたら「Good Job!」と褒めてくださいました。笑

 

 

この劇場以外にも言えることですが、今回ツアーで踊らせてもらった劇場はバレエにはあまり向かないステージで、傾斜であったり、とても硬くクッション性やバネのない床であったり、滑りやすいリノリウムであったりと、決して踊るのに適しているとは言えない環境でした。

 

そんな中で大きな失敗や怪我などせず乗り切れたことはありがたいですし、そして普段いかに恵まれた環境で踊らせてもらえているか、ということに改めて感謝の念が湧きましたね。

 

 

というわけでチビタノーヴァ・マルケでのツアー4公演目が終了し、タルサバレエ一行は次なる目的地、スイスはルガーノに向かうのでした。

 

 

チビタノーヴァ・マルケ編

上記リンクに写真をまとめたので、よろしければご覧ください。

 

 

ではでは次回をお楽しみに!

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