Strictly Gershwin 終演

Strictly Gershwin 終演

 

1週間ぶりの更新となりました。

家に帰ってくると毎日11時とかで、食事と入浴を済ませたらもう日付が変わってる上に、疲れすぎて逆に眠れないのが連日続いていて、ブログを書いている暇がありませんでした。。。

 

ですがそんな日々にもようやく一区切りつきました。ゲネプロ2回、公開ゲネプロ1回、本公演3回のほぼ6回公演のガーシュウィン、無事に終わりました。

 

オープニング。唯一疲れないパートです。

 

Shall we dance?

ある意味作品を象徴するナンバー。前半のしっとりパートと、後半の超絶スウィングパートのコントラストが素敵です。

 

American in Paris

20分もあるこのパート。僕の踊ったピエロは、力技のリフトと早いフットワーク満載の超絶ハードな役でした。

何が大変って、踊りはもちろんですがこのメイクチェンジが相当しんどくて、専属のメイクさんがいないため、自力でメイクを1から変えないといけないのが本当に大変でした。

 

 

Rhapsody in Blue

唯一のクラシックバレエパート。

フォーメーション移動とリフト、リフト、リフトな作品。

さっきのピエロから10分ちょいでメイクから衣装から全部変えてまた舞台に……。舞台の幕が開けてからこのラプソディーが終わるまではノンストップで休めません。まぁ衣装チェンジの間は休んでるといえば休んでいますが、そういうのも含めたら1時間半ノンストップで駆け抜けます。

 

Who cares?

ラプソディーの後、ようやく少し落ち着く時間があって、このパートにつながります。超絶怒涛の短距離走という感じで、息をするのも忘れてぶわああああっと踊って駆け抜けていく感じ。

who cares? のパートナーJessicaは、先ほどのラプソディーでもパートナー。バレエ団でも1、2を争う美貌の持ち主と一緒に踊れたのは光栄でした。眼福眼福……。笑

 

そしてフィナーレ

フィナーレは二つあるんですが、僕はどちらにも出ている上、出てくる袖を変える必要があるため、ものの数カウントでバックステージを全力疾走して再び舞台へ、みたいなシーンがあったり。最後までマラソンです。

 

最後までめちゃくちゃ速いステップ、そしてパワームーブ満載です。

 

 

 

正直、前の「くるみ」も相当大変でしたし、今までにも限界を感じるほど大変だったプロダクションは他にも色々経験してきましたが、今回のガーシュウィンはそれらに匹敵するものでした。いや、ある意味で最も精神的にやられる舞台だったかもしれません。

 

踊っても踊っても終わらない、着替えても着替えても公演がまだ続く恐怖。

開幕の序曲を聞くと、「あぁ逃げられない、長い旅が始まるぞ…」と足がすくむ感じ。

これらは今までに経験したことのない感覚でした。

 

蓄積する疲労や痛みに相反して過酷になっていくリハーサルに、バレエが嫌いになりかけてもいました。心が荒んでいるのが自分でも分かりました。今日も仕事か……と、自分が好きで選んだバレエの道なのに、です。

 

 

そんな僕に、バレエダンサーとしての心を思い出させてくれたのは、この作品の振付家 Derek Deane でした。

 

彼は公演初日、直前の最終リハーサルの後にみんなを集めてこんなことを言いました。

 

 

今日の君たちは22歳。明日にはもう42歳。次の日にはもう60歳だ。キャリアはあっという間に終わってしまう。だからこそ、「あの時ああしていれば」と後悔しないように踊りなさい。僕らにとって舞台は仕事だけど、単なる仕事ではなくてパフォーマンスなんだ。長くないキャリアを悔いのないものにするために、1回1回のパフォーマンスに100%全力で取り組みなさい。

 

 

言われてみれば当たり前のことです。

でも、この何週間か、僕はそんなことすら忘れていました。

この言葉のおかげで、僕は本番3回を全力で踊りきることができました。お客さんを楽しませる喜びとか、踊る楽しさとか、そんなのを自分が一時でも忘れる日が来るなんて驚くやら恥ずかしいやらですが、とにかく僕のバレエダンサーとしての矜持、じゃないけど、そういうものを失くす直前で気づけて本当によかったと思います。

 

これからも苦しいこと大変なこと、いろんなことがあると思います。

そういう時にこの言葉を思い出して、なぜバレエダンサーになったのかと自分に問いかけて、気持ちを燃え上がらせようと思います。

カーテンコールの時に達成感で泣きそうになるくらい、熱いハートを持った自分を思い出せてよかったです。笑

 

 

それでは今日はこの辺で。

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